歪んだヘラ

火を使って調理している最中に電話が鳴ったりすると、火はきちんと消しても、使っていたヘラなどはついつい鍋やフライパンの中に入れたままにしてしまうことがあります。


実は、今日も使用していたヘラを弱火で数分煮込んでしまい、先端部分が熱でよじれてしまいました(TдT)

↑写真左が正常な状態のもの、右が今回よじれたもの




そして、ふと思いました。


家屋の材木も気温や湿度で伸び縮みするとよく耳にするので、ヘラも自力で元に戻るのではなかろうか!?



ということで、主人に確認してみました。
(※主人が当工房の職人で、別の仕事の傍ら主人の仕事を手伝う私は、木のことに関してはド素人なので目下勉強中です!)


主人曰く、
「熱で木が伸びたことによってよじれが生じているから、冷えれば自然に戻ることもある。でも、あらぬ方向に縮んで余計によじれてしまう可能性もある。そういう時は熱を加えて曲げれば戻るけど、力任せにすると折れることもある。」とのことでした。

確かに、昔実家にあった木の鍋敷きも、長年使ううちに若干歪みが生じ、元に戻っていなかったことを思い出しました。


そこから、また思いました。

人間も年月を経るうちに色々なクセが出てきたりするものです。

それも個性と思えばいい味としてとらえられますが、そのクセがどうしても受け入れられないことだってあります。
だからと言って、そのクセを他人が無理やり直そうとすると、気の強い人は反発したり、気の弱い人は傷ついてしまったりします。



それって、木も同じかもしれない!!



そんなことを考えていると、
「『木』は『気』に通じるから、人は木から気をもらえるんだよ。」と語っていた先生のことも思い出しました。

当時、まだ若かった私はただの言葉遊びくらいにしか思って聞いていませんでしたが、今考えるとすごく頷けます。

先生、適当にしか話聞いてなくてすみません(^^;;




歪んだヘラから色々なことを考えたり思い出したりした一日でした。


工房たなごころ

自然に囲まれた由布院の小さな工房

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